緑内障と目薬
緑内障の治療に際し、目薬(点眼薬)を用いることも珍しくありません。これは主に、目薬の作用によって眼圧を下げるために行うものですが、正しい方法で点眼しなければ意味がありません。同様にして、緑内障・白内障手術の際には、目を清潔に保つために専用の点眼薬を使用して頂きますが、これも正しい方法で点眼する必要があります。今後、目薬を差す際には以下の方法を実践して下さい。
清潔な状態で点眼する
清潔な状態にすることは基本中の基本であり、最も大切なことです。点眼する際に手を洗って綺麗にすることはもちろん、目薬の先端部分がまぶたやまつ毛に触れないようにお気をつけ下さい。まぶたやまつ毛に触れてしまうと、雑菌等が付着し結膜炎等の病気を引き起こす可能性があります。目薬を常に清潔に保つため、先端部分には触れないように心がけ、ふたの内部にも触れないようにご注意下さい。
点眼時の量について
目薬の効力を十分に発揮するためには、目の構造を理解した上で点眼するのが一番です。点眼する際には上を向き、下まぶたを引っ張って薬を垂らすのが一般的ですが、この際に二滴・三滴垂らすのではなく、一滴だけ垂らします。点眼された薬は結膜嚢(けつまくのう)というポケットに入り、ここから徐々に目の奥へと浸透し、薬が作用します。なお、薬を一滴だけ垂らす理由としては、目薬による副作用を防ぐためです。一般的に、結膜嚢は目薬一滴の8割程しか受け止められないため、2割近くは溢れてしまいます。溢れた薬は目から鼻涙管を介して全身に行き渡り、結果、副作用の症状をもたらすのです。一滴であれば副作用が出ないこともありますが、これが二滴、三滴と増えてしまうと、それに伴って副作用のリスクも大きくなります。
二種類以上の目薬をさす場合
目薬を二種類以上さす場合は、一度に両方の薬をさしてはなりません。先述の通り、結膜嚢は二滴以上の薬を受けることができないため、薬の効力が十分に発揮されない恐れがあります。また、副作用をもたらす可能性がある薬の場合は、副作用を引き起こす確率も高まります。二種類以上の目薬をさす場合は、5分以上の間隔を空けて使用して下さい。
緑内障の目薬は、強力ゆえに副作用をもたらすことがあります。副作用に苦しまないためにも、上記の方法を実践して下さい。
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